「D2C」ってなに?変化していく消費者との関わり方

「D2C」ってなに?変化していく消費者との関わり方

  • 2021.01.22

TECH NOWとは

TECH NOWは、最新のデジタルやテック系のニュースにアンテナを立てているマクロミル社員が、興味深いと思ったことやリサーチ事業にも関わりそうなニュースをピックアップして発信するショートコラムです。
リサーチ×DATAの会社を目指すマクロミル。
今期は統合データ事業本部20新卒が中心となり、トレンドやマクロミルのビジネス視点からの考察などを交えながら、記事をお届けしていきます。

根津
根津
統合データ事業部20新卒の根津直幹です。
最近、インターネットでリュックや財布に関する情報を検索していたら、ターゲティングされた広告がTwitter上で表示されるようになりました。結果、その広告に誘導されてメーカー直版のECサイトでリュックや財布を購入しました。
須藤
須藤
プロダクトマネジメント部20新卒の須藤芙実子です。
ここ最近、Instagramで新商品を知る機会が増えたこともあり、お店の検索や、口コミを見る手段の一つとしてよくSNSを使っています。特にInstagramでは、「商品を見る」というタグをタップすると金額が表示されたり、ブランドの公式アカウントや直販サイトに飛ぶことができたりと、凄く便利になった気がします。

D2Cってなに?

須藤
須藤
最近はコロナの影響もあって、ECサイトの利用頻度も増えていそうだよね。
ここ数年、Amazonや楽天市場といった大手ECプラットフォームで商品を販売する以外にも、インフルエンサーにSNS上で自社商品を紹介してもらったり、SNSから直販サイトに飛べる仕組みを作ったりと、情報発信の手段も増えた気がするよ。
そうそう、最近はディズニーやNIKEといった企業が、Amazonに出店せず、企業のECサイト開発や運営を手掛ける「Shopify(ショッピファイ)」と手を組みながら、自社サイトを充実させるといった動きがあるんだって。
このように、メーカーやブランドが自社で企画・製造した商品を、既存の小売業者などを通さず直接消費者に販売するビジネスモデルを「D2C(Direct to Consumer)」といって、昨今注目されているんだ。
根津
根津
須藤
須藤
自社サイトを充実させるために、そこまで力を入れているなんて!でも、大手ECプラットフォームではなく、自社のECサイトを使うメリットはどんなものがあるんだろう?出店手数料等のコストがカットできることや、顧客データを直接得られることは想像できるけど、他にも何かあるのかな。
まさしく、須藤さんに挙げてもらった点が大きなメリットだよ。他には、SNS等を駆使して直接消費者とやり取りができるから、信頼関係を築くことができそうだよね。商品に対するフィードバックを得やすくなる点も挙げられるかな。
根津
根津

変化していく消費者との関わり方

須藤
須藤
D2Cによって、より精度の高いターゲティングができたり、消費者から的確なフィードバックをもらえたりしそうだね!でも、どうやって自社の直販サイトやSNSに消費者を誘導するのか、という点が大きな問題になりそう。Amazonや楽天市場といった大手ECプラットフォームと比較すると、インターネット上で商品を知ってもらう機会は少なくなりそうだよね。そういった点はどのように対応しているんだろう。
そこが大事だよね。消費者に認知されるためのハードルが高いということは、各メーカーは直販サイトに誘導するために、自社や商品のブランド認知やロイヤリティを高めていく必要があるんだ。例えば、国内のヘアケア分野でも有名なI-neのブランドの一つである「BOTANIST(ボタニスト)」は、楽天市場のランキングで継続してランクインさせることから始め、消費者やバイヤーへのアプローチには、当時利用者が増えていたInstagramを活用することで認知を拡大していったんだ。
根津
根津
須藤
須藤
まずは大手ECサイトへの出店や、SNSを活用した情報発信で商品の認知を拡大したんだね。マクロミルはECサイト上での顧客情報のリッチ化だったり、施策の効果測定でも、お客様の力になれるんじゃないかな。
マクロミルでは最近、ECサイト上の購買行動を追える「OPR(Online Purchase Report)」というプロダクトも開発されたから、自社ECサイトと大手ECサイトの比較や、競合商品との比較をしたいといった要望にも応えることができそうだね。今後も各社のD2C事業の動きにも注目していこう。
根津
根津
ご参考:
■アマゾンを破壊する「ショッピファイ」の超威力(2020/11/29)
■令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査) (2020/07/22)
■D2C(DtoC)のメリット&デメリット | 日本のD2Cブランドの海外進出成功事例(2020/05/24)
■「ボタニスト」はなぜヒットしたのか? ネット発からオフライン進出までの戦略をI-neの責任者が語る(2019/1/23)
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