二松学舎大学で産学連携講座を実施!取り組みの背景をご紹介

二松学舎大学で産学連携講座を実施!取り組みの背景をご紹介

  • 2020.12.16

二松学舎大学との産学連携の取り組みの一環として、5/15~7/31の間、グローバルリサーチ本部主導でマクロミルの産学連携講座が実施されました。今後も継続して連携させていただくことがすでに決まっており、第1回目となった今回の企画はハウス食品様とのコラボ講座でした。この取り組みの背景について、グローバルリサーチ本部長の小池直(写真中央)さん、講義を担当した熊谷信司(写真左)さん、講義で使用するデータの実査を担当した伊藤奈央(写真右)さんに、お話をお聞きしました。

Q.産学連携講座がスタートした理由を教えてください。

熊谷さん:二松学舎大学の担当である小具龍史准教授は、以前みずほ情報総研様のコンサルタントで、マクロミルにも何度か調査依頼をいただきました。当時の営業担当が小池さんで、そこでの繋がりから今回の講座が実現しました。

Q.熊谷さん、伊藤さんが担当になった経緯を教えてください。

熊谷さん:以前、リサーチソリューション本部にいた際にも他大学で同じように講義した経験がありました。また、産学連携の取り組みに元々興味があり、グローバルリサーチ本部に異動した後も、このような取り組みをしていきたいと伝えていたため、今回お話をいただくことができました。

伊藤さん:3月までは、日本企業のクライアントを担当するRD(リサーチディレクター)だったこともあり、今回の講座では実査部分のRD業務を担当させていただきました。調査画面を作ることは経験してきたものの、その後の分析やクライアント側での活用のされ方等はきちんと理解できていない部分も多かったため、自分自身の勉強も兼ねて参加を決めました。

Q.どのような講義内容だったのですか?

熊谷さん:今回はハウス食品様とコラボし、市場が伸びつつある「レトルトカレー」をテーマに取り上げました。専門店風やエスニック風、辛さ特化など様々なサブカテゴリーがある中、今後伸びそうなカテゴリーや、更に市場を拡大していくためにどのような商品があると良いか、マクロミルの調査データも踏まえて講義を行いました。

Q.受講した学生たちはどのような様子でしたか?

熊谷さん:最初はどうなるか心配でしたが、1カ月経ったあたりから学生側からどんどん意見が上がるようになったんです。その時は、学生たちの急成長を感じ嬉しかったです。特に後半(8回目以降)は、回を追うごとに伸びていることが如実に感じられましたね。

伊藤さん:私は後半から参加させていただいたのですが、最初はデータの見方さえ分からなかった学生たちが、回を重ねるごとに「この年代に絞ってみたらどうか」「これと比較をしてみたらどうか」といったように、積極的に意見を言えるようになっていたのが印象的でした。それに加え、自分たちが決めたサブカテゴリーについてプレゼンを行う際も、いつの間にか順序立てて説明ができるようになっていて、後半の講義はどれも納得感があるものが多かったです。最終プレゼンでの成長は感動的でした。

熊谷さん:毎回講義終了後にはリアクションペーパーを書いてもらっていたのですが、嬉しいコメントをたくさん貰っているので、一部ご紹介します。

・とても時間がかかり大変でしたが、確実に力になりました。
・就活の際に学生時代の頑張った一番の成果として挙げられるくらいの経験になりました。
・名のある企業様に評価をいただけたことで今後の大きな自信になりました。
・実際に企業の方に来ていただけてフィードバックも貰えて本当に良い体験になりました。
学生たちにとっては初めての経験だったと思いますが、リアクションペーパーのコメントからも伺えるように、今後の役に立つ良い経験になったのではないかと思います。

Q.産学連携の取り組みについて、今後の展望はありますか?

熊谷さん:二松学舎大学とは今回が第1回目の取り組みということで、今後もより発展させていこうという話になっています。また、ハウス食品様もこういった取り組みはぜひ継続的に行いたいと、前向きに捉えてくださっています。細かいフレームは検討中ですが、グローバルリサーチ本部×国際経営学科の取り組みでもあるため、今度はよりグローバルな内容で講義ができたら良いなと思っています。

伊藤さん:学生目線になってしまうのですが、学生のうちに企業で働くイメージができるのはとても重要だと思います。実際の業務の流れが分かると、自分で仕事を進めていくことの楽しさを知ることができますし、何より自分の将来を考え、仕事に興味を持つきっかけにもなります。なので、より多くの大学にこの取り組みが広まっていけば良いなと思いますね。

Q.最後に、今回の取り組みを踏まえて熊谷さん、伊藤さんの今後の業務へ活かせる点を教えてください。

熊谷さん:このような取り組みは、マクロミルという会社を多くの学生に知ってもらえるいいきっかけになります。同時に現在、二松学舎大学の小具龍史准教授との共同研究を推進しており、その成果は2020年12月現在までに、産学連携講座のテーマであるレトルトカレーの購買行動に関する調査報告書や、同大の研究論文(ディスカッションペーパー)として発行されました。現在も自身の業務に繋がる新たなテーマの研究論文を共同で執筆中であり、今後も同大との共同研究を継続的に進めていく予定です。そこで得たものを業務に活かしていくのが自分のミッションでもあるため、普段の案件ではできないような面にどんどんアプローチしていきたいです。

伊藤さん:今まで案件ベースで業務を見ることが多かったのですが、今回の取り組みを通して、クライアント側のデータ活用のされ方もよく分かりましたし、マクロミルが大学で講義を行うことで学生たちに多くの気づきが与えられていることを知り、とても嬉しかったです。ぜひ今後の取り組みにも注目いただけたらなと思います。

小池さんから全体を振り返って

小池さん:個人的には、学生時代に統計の勉強をしている中で、何にどう役立つのだろうかという思いを持っており、勉強のための勉強になっていました。学生時代から学術的な面だけでなく、世の中でデータがどのように有効に活用されているのか、そのためにデータを分析する土台(データ処理方法、統計の基礎など)が重要であることを理解して、その上で勉強すると身に付くことが異なってくると思っています。そのような想いもあり、過去にインターンやマーケティング戦略立案コンテスト「EDGE」でマクロミルのデータを提供して、クライアントも巻き込んで学生に分析して提案する機会を提供してきました。

今回はさらに一歩踏み込んで、授業の一コマではなく講座全体を担当し、熊谷さんに講義をお願いして実施しました。学生からのコメントを踏まえ、良い機会が提供できたと考えています。滋賀大学大学院との取り組み、横浜市立大学との取り組みを含め、産学連携を強化し、優秀な学生の採用や企業と大学の架け橋、マクロミルの社会貢献に繋がる動きを引き続き行っていきたいと思います。



▲大学案内にも掲載されました(『二松学舎大学 VISION 2021』p.37より)。
https://www.postin-svr.com/web_p/nishogakusha-u/guide_book2021/


このような取り組みが今後もどんどん広がり、世の中の多くの方にマクロミルの取り組みを知っていただけると嬉しいです。今後も産学連携の取り組みにご期待ください。